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保育所放浪記 (21) ――総括愚痴エピローグ [保育園]

ここまで、我が子の保育園遍歴を長々と書いてきた。相当な分量を書いたが、時間にすれば約2年。結婚前であればノホホンとしている間に自然と過ぎていったであろう年月だが、実にいろいろなことがあった。
最後に、ここ2年を振り返りながら、総括とも愚痴ともつかぬものを書き残しておきたい。

実体験からいえば、やはり認可保育園というのは恵まれた環境だ。特に年齢が高くなればなるほど、園庭があって気軽に外遊びできるという環境は重要だといえる。
東京都認証保育所のところで書き忘れてしまったが、妻が折に触れ「認証保育所の男の子はちょっとかわいそうだった」と言っている。お迎えに行った際、部屋の中でちょっと走り回っていた園児が保育士さんにひどく叱られていたというのである。保育所はビルの一室で、人数が少ないから絶対的な面積は小さい。そして園庭もない。2歳児、3歳児ともなれば窮屈だろう。その園では4歳児、5歳児となると女子ばかりで、男子は少数派だった気がするが、この男女比は偶然ではないのかもしれない。

恵まれたといえば、我が家の「保育園歴」はこれでも相当恵まれたほうだと思う。
我が家は、妻の病気のために「急に」保育園に入りたいと思って、比較的「急に」入れたほうだ。後述のとおり、たまたま子供が4月生まれだったということも効いていると思う。
しかし、多くの家では共働きを理由として「計画的に」保育園に入りたいと思っていて、それでも入るのに苦労している。4月から保育園に入れて、そのためには育児休暇を何ヶ月取って、何月に出産して――と、どこまで遡るか分からないが、保育園への入園を考慮して出産時期を決めたという人もいるだろうと思う。
そこまでしないと保育園に入れないというのは異常だと思うし、少なくとも、誕生月によって有利、不利が生まれないような制度であるべきだ。

来年度の認可保育園入園案内が年末に公開されたが、それによると、ある保育園で定員の割り振りを見直し、0歳児を薄くする代わりに1・2歳児を厚くするという。
傍観者である自分はこの決定には納得したのだが(この園では昨年度の一時期、0歳児が定員割れしていたのだ)、突然の発表だったので「急に定員を減らされても困る」という声がけっこう出たようだ。中にはウェブ上で「市役所に情報公開請求するぞ」と息巻いている人もいた。
おそらく、これを決めた人は、市内の保育園事情を俯瞰した上で、一時的にせよ定員割れしていた0歳児より、待機児童数がより多い1・2歳児を優先したのだと思う。客観的には正しい判断だったはずだ。
しかし、その保育園の0歳児クラスに入る、という予定で、いつ子供を産んで、いつ育休を取って…と計算していた人もいるはず。そういう人にしてみれば大弱り、ということなのだろう。
そんな自分だって、認可保育園に入れなかった時代には一人で愚痴っていた。共働きより経済的に厳しいというのに認可保育園に入れず、東京都認証保育所の高い保育料を払わねばならないのか、と。
定員に限りがあるという条件下では、第三者が「公平と思われるルール」を定めて、それに従うしかない。皆、頭ではそれが妥当だと分かっているが、いざ自分が「落選」すると黙っていられない。何せ生活が懸かっているのだ。認可園に入れないことによる負担増は消費税増税の比ではない。
私が知らなかっただけで、同じような状況は少なくとも数年来続いているはず。先頃の選挙では、候補者は判で押したように「待機児童の解消」と言っていたが、こういう厳しい状況を肌で感じた者として、実際に問題解決に取り組んでくれる人はどのくらいいるのだろうか、と冷めた目で見てしまう。そして聞こえてくるのは、認可保育園に入りたい際、「よくよく困ったら市議会議員に話を通すといいわよ」という先輩ママの声だったりする。


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保育所放浪記 (20) ――行政が年齢構成を歪める [保育園]

最近になって、通っている保育園で興味深い現象を身近なところで発見した。クラスの「月齢構成」だ。
子供の在籍する1歳児クラスには17人いるのだが、4~6月に生まれた子は3人しかいない。一方、12月が誕生日という子は実に4人もいる。全般に年度後半に誕生日が偏っているのだ。
この偏りは偶然ではなく、「今年度新設された保育園」ならではの現象である、というのが私の推測だ。年度後半に生まれた子は、初めて迎える4月の時点でまだ首が据わっていなかったりして、0歳児クラスへの4月入園が難しい。4月を逃すと次の4月まで認可園にはまず入れないし、1年待ったとしても、既設の園では1歳児の新規受入数がごく少ない。比較的高得点なのに、誕生月ゆえに認可園に入れなかった「0歳児浪人組」が新設園の1歳児クラスに集中した結果、このような月齢構成になっているのだと思う。
考えてみると、0歳児のときに通っていた公立の認可園では、0歳児クラスの最年少が11月生まれだった。つまり今の園とは正反対で、年度前半に誕生日が偏っていたわけだ。この園の場合、0歳児から1歳児では定員が1名しか増えないので「月齢構成」も大きくは変わらず、1歳児、2歳児クラスでも年度前半に偏る傾向があるものと思われる。
と、何か大発見をしたかのように偉そうな書きぶりだが、まじめに「保活」した人にしてみれば、この程度のことはもはや常識なのだろう。しかし、保育園の選考制度がクラスの月齢構成に直結しているということに気付いたとき、少なからずショックを受けた。誕生月という、本来ランダムに決まるであろう事柄によって、受けられる行政サービスが実質的に変わってくるというのはおかしな話だ。
0歳児だけでも、たとえば「10月入園」のような枠を設けられないのだろうか。現在、認可園の保育士数の基準は、0歳児クラスについて「園児3人あたり保育士1人」だと思うが、同じ0歳児だって、年度初めと年度終わりでは「手のかかりよう」も大分違うはず。これを利用して、年度途中で増枠することが可能ではないか。とっさの思いつきだが、そんなことを考えた。


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