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あるある?オフィスの盗難事件 [雑感]

連休明け初日の午後。換気の悪いオフィスはすでにクールビズ必須の環境で、どことなく職場にけだるい雰囲気が漂っている。
そんな中、事件は静かに起きた。いや、すでに起きていた。
盗難、である。

現金、貴重品は身に付けて——至るところで耳にするフレーズだ。確かに間違ったことは言っていない。
しかし私は「わりと身に付けない」派である。スーツを着こなす専業ビジネスパーソンなら、札入れと小銭入れをそれぞれ上着のポケットにでも入れるところだろう。しかし兼業主夫仕様の財布は分厚く、ポケットにはとても収まらない。財布はだいたいカバンの中で、しかも会社ではカバンの口が全開だ。
それで何ら問題が起きないのである。入社して10数年、財布に限らず、何かを会社で盗まれたという経験がない。不特定多数の人が出入りする場所でないこともあり、現金の管理は実に無防備だった。

そこへ今回の事件である。
下っ端の私は、業界誌の定期購読の取りまとめをやっていて、月に1回、雑誌代を集金している。その金額、約6000円。
連休の谷間、5月2日に3000円強の集金を終え、集金袋は鍵のかからない机の引き出しに入れた。そのまま4連休に入り、今日を迎えた。
午後、集金を再開したときに異変に気付いた。引き出しの手前にあるはずの集金袋が奥のほうにある。不審に思いながら中を見ると、集金の記録である「短冊」だけが入っており、紙幣と硬貨はない。
何かの間違いかと思い引き出しの中を整理したところ、次なる異変に気付いた。両替のためにストックしてあった小銭数十枚が、袋ごとなくなっていた。10円玉が主体だから金額としては大したことがないと思うが、ひょっとしたら両替のときに1000円札を1枚入れたかもしれない。ともかく、引き出しから「金目のもの」だけが消えていた。
いちおう引き出しの裏や下も見てみたが、内容物は落ちていない。封筒が引き出しの中に残っているのに中身の現金だけが引き出しの外に落ちるとは考えにくいし、紙幣と似たような大きさの紙は封筒の中に残っていた。これを盗難と呼ばずして何と呼ぼう。

問題はここからだ。盗難に遭ったとして、どのようなアクションを起こせばいいのか。
ウェブで少し調べてみたが、会社に対して何か補償を要求するのは無理そうだ。集めた雑誌代は公金に近い存在だが、それを鍵のかからない引き出しに入れてあった時点で明らかに不注意であり、純然たる公金であれば逆に処分されてもおかしくない。
それでは個人として何ができるかと考えたが、警察に盗難届を出すぐらいしか思いつかない。数千円の被害で警察がどこまで真面目に動いてくれるか分からないし、大真面目にやってもらうと会社的には逆に大変だ。職場に悪者がいないとしても、警察が職場にやってくる!となれば面倒なことはいろいろあるだろうし、同僚の間で犯人探しが始まることも想像に難くない。
さらに気になるのは「別件逮捕」だ。これまで会社のルールを100%完璧に守ってきたかと言われると自信がないし、むしろ多少グレーなことなら身に覚えがある。衆人環視の下で引き出しを開けてみたら思わぬものが出てきて、「何だこれは」という話になったら面倒だ。

そんなわけで、一時は自分の胸のうちにしまっておこうと思ったのだが、どうしても我慢できず、総務担当にだけ話をすることにした。もし他部署でも盗難が確認されていれば話は違ってくると思ったのだ。
「何かを要望するわけではなく、あくまで参考として聞いてほしいんですが…」
しっかり予防線を張った上で経緯を説明したところ、担当者は小声で「実は1年前に…」と意外な話を始めた。
同じフロアで、1年ほど前に似たような盗難があったのだそうである。それ以降、総務担当者とその近辺では現金の管理に気をつけるようになったという。
この話を事前に聞いていたとしても自分の行動は変わらなかったと思うが、職場での盗難がそれほど珍しくない話なのだということは分かった。

残る興味は「犯人が誰なのか」というところ。
同僚の犯行とは思いたくないし、盗難が起きた4日間は基本的に全員休みだったので、私と同じ立場の社員が関わった可能性は低いと見た。平日は「遅く来て早く帰る」私のこと、長期休暇など利用しなくても、私の机が無防備な時間はいくらでもある。わざわざ連休中に実行する必然性がない。
ということで、もし連休中にビルのメンテナンス等で外部の人が入っていたのであれば、それが怪しいかなと思っている。

ただ、かりにそうだとすると、机が多数あり、大半には現金が入っていないという中で、どうやって自分の机を探し当てたのか? 手当たり次第に探したのかもしれないが、効率は悪そうだ。
一つ思い当たるのは「音」だ。硬貨が多数入っていたので、引き出しを叩くとジャラジャラと音がする。勝手な想像だが、この音を頼りに、犯人は狙いを定めたのではないだろうか。
今後は、現金の保管時に、音が出ないよう気をつけたほうがいいかもしれない、と勝手に教訓を得た。


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