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薄氷を踏んで信州へ [雑感]

昨日、今日にかけて「夜の出張」だった。行き先は長野県。9月にもあったが、夜間に家を空け、妻が一人で子供の面倒を見るということになる。大半の時間は子供が眠っているのでハードルは比較的低いと思うが、今週は妻の調子がかなり悪く、実際に家を出るまで、出張に行けるという確信が持てなかった。
しかし、今となっては、一旦帰宅したときの忙しさだけが印象に残っている。

16時15分ごろに会社を出て、買い物を済ませて保育園に着いたのは17時過ぎ。いつもより2時間強は早いお迎えだ。
家を出る予定時刻は20時。ふだんに換算すると「22時過ぎには風呂と食事をすっかり終える」ということだから、それほど急がなくても可能ではないか?と、このときは漠然と思っていた。

帰宅するとまだ17時台なので、先に子供を風呂に入れることにする。が、遊びの最中で風呂に入れようとしたものだから機嫌が悪い。ここで5分ほどロスした。しかし泣いているのをいいことに、風呂では強制的に身体を洗って(いつもは水遊びをするので時間がかかる)、通常より10分ほど早く出てきた。ここまではまずまず順調。
風呂に入ったので洗濯物はほぼ出尽くした。そこで洗濯を始める。保育園からひどい汚れ物が返ってくるという不運もなく、ほぼそのまま洗濯機に突っ込んでスタート。食事中に洗い上がる計算なので「お急ぎ」ではなく「通常」モードとする。

次、夕食。我が家では「日曜日に蒸し鶏を仕込んで、水・木曜に食べる」というのがここ2ヶ月ほど定着しているので、今日は必然的(?)に蒸し鶏ということになる。基本的には切るだけなのだが、付け合わせのキュウリとトマトも切らねばならない。さらに、栄養バランスを考えて子供には柿、妻には梨を切ったので、これだけでけっこう時間を食った。主食は調理時間と子供の好み(食事時間に影響する)を考慮して冷凍のドライカレーとした。
準備が整うと時刻はもう19時10分近い。背筋に若干寒い物を感じつつも平静を装って食べ始める。ノンアルコールだから文句ないだろ!とチューハイも飲むことに。いつもなら一息つくところだが、今日はさしずめ気付け薬だ。
ちょっとした誤算はドライカレーで、子供がしきりに「熱い、フーフーして」と言っている。「熱くて食べられない」というのを避けるために相当前に解凍したので、もう熱いということはないはずだが…としばらく考えて分かった。「熱い」のではなく「辛い」のだ。いつも食べているのと違う銘柄のものを買ってきたのだが、一口食べてみると、食べたあとからけっこうな辛さが来る。一般的なカレーの「中辛」を平気で食べる子供も、さすがに若干辛いと思ったらしく、食べるスピードが若干鈍った。

そうこうしていると19時40分。自分のドライカレーは食べる暇がなく弁当箱に詰める。子供が食べ残した柿をほおばりながら食器を水に浸け、洗濯物を大急ぎで風呂場に干す。残り十数分というところで食器を食洗機に突っ込み、ここからようやく自分の支度を始める。20時出発といっても、たしか数分はマージンがあったはずで、いわば「ロスタイム」をあてにしながら準備を終える。
さぁ出発…と思ったら妻に呼び止められた。プラレールの組み立て方が分からないという。たしかに「坂曲線レール」の組み合わせ方はちょっと難しくて、全部のパーツを使い切るためにはレールを特定の配列にする必要がある。時間大丈夫か?と思いつつも、ここで妻に円滑に引き継がなければ出張自体が危うくなる。
焦りながらレールをつなぎ、ようやく「行ってきます」。子供が「自分も行く」と言っていたが聞かなかったことにする。妻は最悪期を脱したのか、特に引き留められることはなかった。

あとは間に合うかどうか。時計を見ると、残された時間は13分。自転車置き場まで最速でも9分、自転車置き場から駅まで4分は不可能ではないが気を抜けない。1本後の電車でも間に合うことは間に合うが、新幹線は自由席なのでできれば後らせたくない。ときおり30km/hをうかがうスピードで夜の道を飛ばし、駐輪場まで3km弱の道のりを8分30秒で走りきった(信号待ちを含めて平均20km/h強だから頑張ったほうか)。そこから駅までの約500mもさらに小走り。20時17分にはホームに着いた。自宅から12分。路線バスで駅へ行くなら、乗っている時間だけで確実に12分を超えるところで、誰にともなく「どうだ!」と胸を張りたくなる。
こんなときに限って電車が3分遅れでがっくりきたが、もう1本後の電車も3分遅れだとしたら、新幹線への乗り継ぎが相当シビアになっていたはずだ。急いだ甲斐はあったと信じたい。
やってきた電車は、ラッシュと逆方向だというのに混んでいて閉口したが、何とか座って一息ついた。妻が早々に音を上げて電話をかけてくるかとしばらく身構えていたが、その気配もない。
東京駅からは予定どおりの新幹線に乗った。この時間帯にしては珍しく空いていて、大宮を出ても3列席を1人で使える状態。食べ残したドライカレーを上野までの間にすっかりたいらげ、車内誌の「居酒屋探訪」記事を垂涎しつつ読む。頭上にはほぼ真ん丸の月。せめてビールでも飲みたいところだが、窓枠には500mlの水。

仕事は順調に終わり、翌朝は8時前に東京に戻ってきた。夜中のメールによると、子供は「父がいない」というイレギュラーな状況に大興奮だったらしく、結局1時前まで起きていたのだという。ということは当然、朝寝坊であり、東京着の時点ではまだ寝ていたようだ。
最寄り駅に着いて電話を入れると、ちょうど子供が起きたところ。妻は「昨夜は子供と楽しく遊べたからよかった」と言っていて一安心。自分への気遣いから多少強がっていたのかもしれないが、少なくとも「心身とも限界」というふうではないようで、これには救われた思いだった。
10分そこそこで家に戻り、家族3人で遅い朝食を始めた。大遅刻で子供を保育園へ預ければ、他人より少し早い週末の始まりだ。


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