SSブログ

保育所放浪記 (15) ――欲を出して転園希望 [保育園]

0歳児の11月、半ば偶然に認可保育園に入れた我が子。黙っていればこのまま5歳児まで安泰だ。
しかし我々は密かに転園を画策していた。もちろん、転園先も認可保育園だ。

転園の理由は2つ。交通の便と教育方針だ。
今回入った保育園は家から3km弱離れている。自分が自転車で送る分にはそれほど苦にならないが、妻が送迎するにはちょっと辛い。できれば自宅最寄りの園に通いたい。そうすれば、お迎えだけでも妻にお願いできるようになるかもしれない。
かりにその園がダメでも、来春に新規開園する別の園には入りたい。その園は私立で、すでに市内で別の認可保育園を運営している団体が開設するものだが、その園と同じやり方だとすると、モンテッソーリ教育を採り入れることになりそう。幼稚園的な要素を若干期待しての転園である。
後者の理由は若干わがままかなと思ったが、向こう5年間通うのだから、少しでもよいところに入りたい。狙いをこの2園に絞った。

自分の住んでいる某市の場合、転園も新規入園も同じ土俵で評価される。つまり点数制で、高い順に内定していく。もちろん、転園の場合、かりに「落選」しても今いる園から追い出されることはないから気楽なものだ。
ただ、「現在は認可外保育施設にいて、今回新たに認可園へ入りたい」という人については4点の加点があるが、「認可園から別の認可園へ」ということだと、この加点はない。つまり我々に関しては前回より低得点となる。一方、「別の兄弟がすでにその園に在籍している」という場合にはやはり4点プラスになるので、「兄弟で同じ園に通いたいから」という理由ならば新規入園と同等の条件での競争となる。

私たちの「票読み」では、自宅最寄りの園は「厳しい」、一方で新規開設の園は「たぶん入れる」だった。
自宅最寄りの園は、0歳児と1歳児の定員が1名しか違わない。つまり新規に入れるのはわずかに1名。これでは、最低でも「両親フルタイム(80点)+4点加算」でなければ無理だと思われた。
一方、新規開設の園は定員が17名で、近隣に既存の園が多いことも勘案すると、80点でもOKではないかと思われる。おそらく80点の家族が多数いると思うが、同点ならば、病気が理由の我が家は一般的な家庭よりも優位に立てる。

そんなわけで、12月に書類を提出して結果を待つことにした。
が、実は内心「両方とも落選しないかなぁ」などと思っていた。今通っている園の居心地が実にいいのだ。
新しい園舎で充実した教育内容というのはたしかに魅力的だが、すぐ近くへ転園するというのは、今の園に対する裏切り行為のようにも思えて複雑な心境だった。


スポンサーリンク


保育所放浪記 (14) ――ちょっと寄り道、病児保育 [保育園]

これまでは「毎日通う保育園」という観点で紹介してきたが、ここで少し脇道にそれ、病児保育について紹介したい。

その名のとおり、「病児保育」とは病気になった子供を預かってくれるというもの。だいたいの保育園は37.5度以上の発熱で登園不可となるが、そんなときでも預けられるのが病児保育だ。
自分の住んでいる市は病児保育についてもなかなか充実している。駅に程近い小児科医院が運営しているのだが、利用するには、朝8時半までにその小児科で診療を受ける。受け入れOKとなれば、病院の奥にある小部屋で子供を引き渡す。その後、子供は保育士とともに園まで移動し、お迎えは駅前にある園へ直接行く。
料金もけっこうリーズナブルだ。朝から夕方17時まで預けて4000円。その後、19時まで延長するとプラス2500円ほどかかるが、一時保育の料金としては十分安いと思う。病気の子を預かってくれるという希少性からすると格安といえる。

しかし難点は予約が取りにくいことだ。なぜだか、以前より格段に難しくなっている気がする。
予約しにくい一因として、継続利用者が多いことが挙げられる。たとえば月曜日に病児保育を利用すると、朝の段階で「明日の予約はしますか?」と尋ねられるので、おそらく大半の人が「快復しなければ明日も利用します」と返事をする。これで火曜日の枠はあらかた埋まってしまう。
こんな状況だから、週の半ばに発熱すると大変だ。発熱が分かった時点ですぐに予約しても空きがない、ということが多い。翌朝のキャンセル待ちで急遽OKとなったこともあるが、直前までどうなるか読めないので動きがとりづらい。「空きましたので今から来てください」と言われたのが8時過ぎ、ということもあって泡を食った。

そんな難点はあるものの、セーフティネットとしてこの病児保育の存在は大きい。我が家は妻の体調不良で有休を使わざるを得ないことも多く、数千円で有休1日を節約できるのは実にありがたい。
ただ、我が子は病児保育があまり好きでないらしく、朝、預けるときには例外なく大泣きする。園に着いたらけっこう楽しくやっているようだが、完全に普段どおりとはいかない。いつだったか、おしゃべりなお姉さんに日がな一日圧倒され、その女の子が帰ったとたん、堰を切ったように話し始めたということがあったという。
体調がすぐれない中、慣れない環境で1日を過ごすのは子供にとって負担が大きいのかな、と少し申し訳なく思う。


スポンサーリンク


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。